世界の孤島 2015 6 14

 「日本が好き」という外国人の多くが、
心配していることは、こういうことです。
 日本人は、日本が快適な国なので、
外国に行こうと思わないし、外国への関心も低い。
内にこもっている。
 その結果、日本が「世界の孤島」になってしまうのではないか。
日本の携帯電話が独自の進化を遂げて「世界の孤島」に、
いや、日本人は、これを「ガラパゴス化(Galapagosization)」と言うらしいが、
やがて、日本全体が「ガラパゴス」になってしまうのではないか。

書名 中国人とアメリカ人 自己主張のビジネス術
著者 遠藤 滋  文春新書

女性「あなたは、奥さんを何%愛しているか」
著者「100%、いや120%かな」
女性「不会(それはない)」
「100%愛してはいけない。
60%くらいにしておくべきで、
最高でも80%がよい」
 中国では、結婚しても、名字を変えず、
持ち寄った財産も共有にしないのが普通だ。
 中国人は、何事にも自分のすべてをぶつけず、
100%燃えることはしない。
 20%は、常に冷静な自分を保つ。
また、物事は、どう展開していくかわからないから、
方向転換の余地を残しておく。
(引用、以上)
 著者が言うように、
「中国人には、二人の自分がいる。
一人は、舞台の上で演技する自分、
もう一人は、それを観客席から眺めている自分だ」という点については、
私も、そう感じているところです。
だからこそ、民主主義が最も似合う人種は、中国人だと思っています。
 あれは、数年前のことだったと思います。
昼食に立ち寄った北京料理店の出来事でした。
 メニューを見る前に、ふと見上げると、
「清明上河図(せいめいじょうがず)」の複製画がありました。
 それにしても、うるさい。
となりのテーブルでは、中国人二人が、
口から泡を飛ばすように議論しているのです。
 「口角泡を飛ばす」という「ことわざ」がありますが、
まさに、そのとおりだと思いました。
 私が「清明上河図」をしばらく眺めていると、
注文を取りに来る様子だったので、
あわててメニューを開くと、
私が好きなレタス・チャーハンがありました。
 となりのテーブルでは、相変わらず、激論が続いていました。
私の目は、「清明上河図」に、
私の耳は、中国人の議論に集中しました。
 もちろん、私は、現代中国語を知りませんが、
あまりにも白熱した議論が聞こえてくるので、
思わず聞き耳を立てるようになりました。
 中国人は、口から泡を飛ばしていても、
けんかをしているわけではなく、
相手の主張を聞きながらも、
自分の主張を根気よく説明している様子でした。
 その時、思ったのは、
世界で最も民主主義が似合うのは、中国人だろうということです。
 日本では、あまり議論することなく、
その時の雰囲気で、物事が決まっていくことが多いですが、
中国人は、お互いに納得するまで、
徹底的に議論をする傾向があります。
 このような傾向や特性は、民主主義には最適です。
民主主義は、議論から始まるのです。
 ところで、多くの日本人は、
「中国では、結婚しても、名字を変えず、
持ち寄った財産も共有しないのが普通だ」というところに、
関心を持ったでしょう。
 どうして、中国人が、そうなってしまったのか。
「これでは、お互いに『不信』ではないか」と思ったでしょう。
 これは、中国の歴史に原因があると思います。
以下の「征服王朝 2014 6 21」を読んでください。

征服王朝 2014 6 21
 中国の軍事予算は、この10年間で、4倍近くになりました。
一方、日本の軍事予算は、この期間で「微増」というレベルです。
 それなのに、中国国内では、日本脅威論が語られます。
これには、多くの日本人が、「実に、不思議だ」と思うでしょう。
 どうして、中国では、このような発想になってしまうのか。
それは、中国の歴史に原因があります。
 中国の歴史とは、異民族に支配された歴史です。
代表的なものでは、モンゴル帝国(元朝)があります。
この王朝は、モンゴル族が中国に侵入して建国した帝国です。
モンゴル族は、中国を1271年から1368年まで支配しました。
 次に、有名なのが、清帝国(清朝)です。
この王朝も、満洲族が中国に侵入して建国した帝国です。
清帝国は、1636年から1912年まで続きました。
つまり、中国は、約300年近く、満洲族によって支配されました。
 中国では、こうした王朝を「征服王朝」と言います。
つまり、異民族によって支配された王朝という意味です。
 こうした歴史から導かれることは、
中国人は、被害者意識が強いということです。
 こうした被害者意識が強く現れているのが、
中国外交の特徴と言えるでしょう。
 中国は、すでに超大国になったのですから、
本来ならば、小さなことは気にせず、鷹揚に構えていればいいのですが、
現実には、小さなことにも過敏に反応し、番犬のようにギャンギャンと吠えます。
これは、被害者意識が典型的に現れている実例です。
 中国から見れば、日本人も「異民族」なので、
当然、過敏に反応するでしょう。
中国は、いつになったら「超大国」になるのか。










































































トップページへ戻る